リキッド系WAXで実験(その2)

リキッド系WAXで実験(その2)

さて、24時間の常温乾燥を行い、その後25℃のヒートベッドで24時間追加乾燥させたリキッド系WAX。UFO-DRIPはカチカチに硬化。ceramic WAXは表面が少し軟質に硬化。それ以外は冷蔵庫から出した瞬間のバターぐらいの硬さ。UFO-DRIPはZFCなどが主張するようにピンとプレートが直接接触することはなさそうだが、代わりに荷重を掛けると割れそう。ceramic WAX、FlowerpoweWAX、squirtは荷重を掛けてWAXが直接接触を防ぐだけの硬度があるか、非常に不安。
その辺りの実験はいずれするとして、今回の実験は温度変化によるWAXの状態変化。温度を上げて行ってみます。

ちなみにチェーンの摺動面はどれくらいまで温度が上がるかGrok君に聞いてみるとこんな感じ。

--Grok君の回答--
ロードバイクの実走でチェーンの摺動面温度は通常50-90℃、高負荷ピークで100-120℃程度まで上がることが現実的です。
80℃前後で最適に働く潤滑剤(特にHOT WAX系)が強い理由の一つでもあります。
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温度を安定させるためシャーレの蓋を締め。ヒートベッドの温度を上げ、1時間放置し状態を確認していきます。

 

 

35℃で1時間加温

UFO-DRIP以外は全て軟化している。FlowerpoweWAX、squirtはすでに冷蔵庫から出したマーガリンぐらいに変化。この温度であれば真夏などに未走行でも上がる温度。FlowerpoweWAX、squirtは一般にチェーンWAXで語られる硬化してピンとプレートの直接接触を防ぐと言われる効果はないと思われます。

40℃で1時間加温

FlowerpoweWAXの周辺からはオイルが滲み出ている。このWAXの原料はひまわり油。ひまわりにはサンフラワーWAXという成分(融点75℃)があり別名オレオゲルと言われる硬度がある天然のゲル化剤。このオレオゲルは3D構造をしておりオイル分を閉じ込める(別名カードハウス構造)。ちなみに以前話題になったオリーブ油が意外にチェーンを潤滑するという話の正体はオリーブ油の主原料であるオレイン酸が正体です。

45℃で1時間加温


UFODRIPも少し軟化を始めた。ceramic WAXはこの温度でフィルム層と液体に分離完璧なオイル状態となっています。FlowerpoweWAXはどんどん液体に変化。スクワートは双方とも少し軟化が進んでいます。スクワートは低温用もあまり変化を感じない何が違うのか? この時点でUFO-DRIP以外はWAXとしては機能していないと思われます。

50℃で1時間加温


UFODRIP、squirtもかなり柔くなってきた。ceramic WAXはほぼ液化。セラミックだろうか僅かに溶けて無い物質が残る。FlowerpoweWAXはオレオゲルからオイルが放出状態か?squirtもかなり柔らかい状態です。

55℃で1時間加温


UFODRIPも溶解が進み、ceramic WAXは液化。FlowerpoweWAXは融点75℃付近と思われるオレオゲルが残っていますが内封されたオイルは全て分離している状態です。squirtも軟化しているが他のWAXなどと違い、柔らかい半固形状態。もしかすると固形パラフィンではなく、ワセリンに近い半固体パラフィンを乳化させたものかもしれません。

60℃を30分65℃で30分加温


UFODORIPもほぼ溶解。squirtの軟化は進み、ケチャップより柔らかぐらいの粘度に変化しています。ほとんどのリキッドWAXは低粘度のオイルなりました。WAXは固まって潤滑しているという訳ではありません。

まとめ
皆さんがイメージしているチェーンWAXとかなり違ったのでは無いでしょうか?ただ、実際のチェーンの摺動面がどこまで温度が上がるのかという問題があります。しかしほとんどのリキッド系WAXは実際の走行では溶けて動作すると考えられます。ただし、squirtは初期グリスに近い挙動です。粘度だけが変化し液化はしません。(もっと温度を上げると変わるかも)決して液化するから性能が悪いわけではありません。シティライドなどでズボンに汚れがつきにくいなどのメリットは多いです。しかし、ロードレースやスポーツ走行で巷で言われているほどWAXが良いのか疑問は残ります。

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