チェーンにアルカリ性は良いの?

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酸性・アルカリ性ってなんだろう?

「酸性って酸が強くて、アルカリ性はアルカリが強いんじゃない?」その通りなんですが、それでは、PHを理解しているとは言えません。
「酸性・アルカリ性は水素イオンの量じゃないの」その通りでももう少し足らないんです。

酸性・アルカリ性は水素イオンと水酸化物イオンのバランスで変わります。
水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)この量が等しい状態が中性で、水素イオン(H+)が多い場合は酸性、水酸化物イオン(OH-)が多い場合はアルカリ性となります。 H+  + O H- =  H2O  (水) ほら中性ですね。
このことから分かる様に中性だから水素イオン(H+)がない訳ではありません。あくまでもバランスが取れている状態なのです。

一般的に液体の性質表すPH値 この値は塩酸をPH1とし、水酸化ナトリウムをPH14として表されています。
では、PHを表として水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)の量を簡単な表で見てみましょう。

PH.png
 

 

中性を中心にPHが1下がるごとに水素イオン(H+)の量が10倍増えます。例えばPH6の液体とPH4の液体ではPHが2つ違うので10倍の10倍となり水素イオン(H+)量が100倍違うことになります。

そして、この水素イオン(H+)が金属同士の結びつきの間に入り込み、金属の結合を阻害し、割れや剥離を起こします。そしてこれが水素脆化と言われる現象です。「えっ水素が金属に入り込む?」と思われるかもしれません。この現象をうまく使っているのが燃料電池車の水素吸蔵合金です。高圧の水素ガスをタンクに詰め込むのではなく金属に水素を吸収させ安全に保管しています。一方で水素燃料自動車(通常のエンジンの燃料を水素に置き換えた形式)では、この水素がシリンダーやエンジン内部の金属を攻撃し(水素脆化)問題になります。


「でも水素脆化とか特殊な状態でしょ?」いえいえ、水素脆化は様々なところで問題になっています。金属加工やメッキの業界では水素脆化との戦いと言っても過言ではありません。金属表面の酸化膜やスケールと言われる水垢を除去するために、金属加工やメッキ処理の前に酸洗と言われる酸性の液で処理をするのですが、この時に水素イオン(H+)が金属内部に入り込みます。

10%塩酸(PH1)に10分間 処理した場合 約70%の水素脆化を起こします。
スポーツドリンクや炭酸飲料などもPH値が低く注意が必要です。

ライド中には意外にも汗やこぼれたドリンク類、雨水など酸性のものがチェーンに影響を与えています

この水素脆化を防止するため、金属加工やメッキでは酸洗をおこなった後、脱水素のためにベーキング処理と言われる200℃前後での数時間の熱処理を行いますが、材料によっては200℃前後では焼き鈍しになってしまい。必要な硬度を保てなくなってしまいます。
その場合は70℃前後でアルカリ浴を行い脱水素を行なったりします。また、金属加工やメッキなどの工程では最初の酸洗以外の洗浄は水素脆化対策として、ほとんどアルカリ性の洗浄剤を利用しているのです。


ここまで読んだ方は「アルカリのディグリーザーって悪くないんじゃない?」と思っていただけたのではないでしょうか?
そうなんです。GOTALがお届けする「チェーンディグリーザーの素」は80℃前後の温度帯にできるように粉末での販売にしています。アルカリの力と温度の力で洗浄脱脂を行い、さらに脱水素を行えるディグリーザーなのです。

でも何故、アルカリ性が悪いとなっているんでしょう 次回はちょっとそこの部分を考えたいと思います。

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